著者 | 鹿島こたる |
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出版社 | 祥伝社 |
レーベル | ボーイズDUOセレクション |
シリーズ | - |
発売日 | 2021/02/25 |
電子発売日 | 2021/02/22 |
価格 | ¥680(税抜) |
純真な淫魔×絶世の美しさを湛えるヴァンパイア、不滅の愛の物語。
純真で真面目な淫魔と、絶世の美しさなのにちょっとオタクな吸血鬼の出会いは、葛藤や冒険の末に不滅の愛へと昇華する――。
その切ない物語が、少しコミカルに、魅力的な絵で繰り広げられます。
美を体現した作品を、ぜひご覧ください!
- 美しい絵で、不滅の愛の物語が読みたい!
- 純真な淫魔×美貌の吸血鬼。ちょっと変わったカップリングに興味がある!
- 完成度の高い作品で、読後しみじみ幸福感を味わいたい!
概要と評価
あらすじ
淫魔(インキュバス)とヒトとの間に生まれた菱田マモルは、まっとうな人間として生きていきたいと思うあまり、人間から精気を搾取することを拒み、死にかけていた。
そんな彼の前に現れたのは、比類なき美しさをたたえたヴァンパイアのラドゥ。
みずからの肉体をマモルに与え、精気を得る方法を教えたラドゥは、命を救ったことと引き換えに、マモルに自分の「使い魔」になるよう条件を出す。
その役割は、マモルの想像をはるかに超えた、びっくりするもので……?永遠に生きるラドゥと、限られた寿命を持つマモル。
ラドゥの屋敷で心穏やかな日々を過ごすうちに、やがてマモルは、自分とラドゥにいずれ必ず訪れる、「時間による絶対不可避の別れ」に気づいてしまう。
そして、ラドゥが人知れずその胸に抱え、恐れ続けている「ある想い」を知ったマモルは――?真面目で純真な淫魔×絶世の美と永遠の命を持つヴァンパイアの、不滅の愛の物語。
ボーイズDUOセレクション
その美貌に加え、芸術や漫画をこよなく愛する、ちょっとオタクな一面も持つ吸血鬼・ラドゥの愛らしい魅力も必見!
巻末には、コミックスでしか読めない描き下ろしも収録しています!
同時収録作品
おまけまんが(10p.) |
電子限定漫画(4p.) |
電子書籍シーモア参照。紙・電子・書店によって異なる場合があります。
カップリングと登場人物
攻
受
脇役・当て馬
ラドゥの兄。公爵。ルーマニアのトランシルヴァ地方に住む。
ラドゥの屋敷の管理をしている野狐。ラドゥから居場所と仕事を与えられた。
悪魔狩り組織に所属する、ヴァンパイアハンター。
協会でもトップクラスの実力を持つ。本気でラドゥを殺しにくる。
ストーリー紹介
髪を撫でられている よく知ったあたたかい手に――
菱田マモルは、淫魔とヒトとの間に生まれた。
幼い頃、淫魔の父から人を犯す手本を見せられたマモルは、ショックの余り父から逃げ出し、善良な施設に保護されて育つ。しかし、淫魔は人間から精気を搾取しなければ死んでしまうのだ。
そんな彼の前に現れたのは、美しきヴァンパイアのラドゥ。
ラドゥは「君に死なれては困る」と、みずからの肉体を使って精気を得る方法を教えた。すっかり生き返ったマモルに、ラドゥは自分の「使い魔」になるよう、ある条件を出すのだが――。
感想・レビュー
純真な淫魔×絶世の美しさを湛えたヴァンパイア。
不滅の愛の美しくも切ない物語。
発売から約1週間で、Renta! で星 4.6/5(45名)、シーモアで 星 5/5(5名)、Amazon で 星 5/5(18名)。
分母の人数は特別多いわけではないけれど、とても高い評価を獲得している。きっとこの作品は、響く人にはとても深いところまで届く魅力を持っているのではないか。
物語は全体としてコミカルで、愛の物語の中にテンポ良く冒険やオタク的な要素が盛り込まれ、キャラクターも魅力的で面白い。しかし本質的な魅力は、不滅の愛や芸術、昇華された美などが挙げられるのではないかと思う。この両極端が、絶妙なバランスで濃淡を変えながら描かれる。
鹿島こたる先生は、Twitter で本作の主題についてこのように書いておられた。
ゆめみるヴァンパイアは「人の魂を救済するのは芸術であり、芸術を生み出せるのは人である」というのが主題のひとつでした
わたしはこの言葉を、読みながら実感したような気がしている。
物語の終盤、ラドゥがピアノを弾く場面がある。曲は、ここで描かれている譜面の片端を見るに『なき王女のためのパヴァーヌ』(Pavane pour une infante défunte)だと思うが、このピアノ曲を聴きながら読むと『ゆめみるヴァンパイア』の世界と共鳴し、不滅の愛の切なさと、それが昇華された美や芸術の歓びに胸が熱くなった。物語と、絵と、音楽との共鳴を感じることにより、本作をより理解できる気がしたのだ。素晴らしい体験だったので、ぜひこのシーンを読むときに聞いてみて欲しい。
また、鹿島こたる先生は以下のようにも書いておられた。
6話ラストでラドゥを囲んでいるのはミュシャの「四芸術」をモチーフに詩、踊り、絵画、音楽の四人です
このように芸術の片鱗が散りばめられているが、この作品自体も1つの芸術として完成していると思う。
途中、切なくて思わず動揺してしまう展開もあったが、読み終えてみれば『ゆめみるヴァンパイア』とはこういう意味だったのかと感激し、この展開があるからこそ物語が円熟し、昇華して美しいと思った。
美は、滅びを内包した儚さが描かれる場合も少なくないが、この作品の美は滅びを表現しつつも不滅だ。それが、最後まで彼等らしく在ることによって見事に完成されており、読後にしみじみとした幸福感を得ることができた。
なんだか感激のあまり小難しい話を書いてしまったが、物語は軽快でテンポ良く進む。淫魔なのに純真で真面目、美貌の吸血鬼だけどちょっとオタクという2人のキャラクターもとても良かった。
『ゆめみるヴァンパイア』は、わたしにとって印象深い作品の1つになった。鹿島こたる先生に感謝!
ココが性癖に突き刺さった!
- 純真で真面目な淫魔が可愛い!
- 彫刻よりも美しいヴァンパイア、ラドゥの肉体美に圧巻!
- 不滅の愛の美しさと切なさが胸に響いた!
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
純真な淫魔×絶世の美しさを湛えるヴァンパイア、不滅の愛の物語。
純真で真面目な淫魔と、絶世の美しさなのにちょっとオタクな吸血鬼の出会いは、葛藤や冒険の末に不滅の愛へと昇華する――。
その切ない物語が、少しコミカルに、魅力的な絵で繰り広げられます。
美を体現した作品を、ぜひご覧ください!
- 美しい絵で、不滅の愛の物語が読みたい!
- 純真な淫魔×美貌の吸血鬼。ちょっと変わったカップリングに興味がある!
- 完成度の高い作品で、読後しみじみ幸福感を味わいたい!