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感想・レビュー

それは、正気の沙汰ではないかもしれない――。
美人御曹司×志高き書生、大正浪漫の耽美な愛憎絵巻！

発売から約14年、各ストアで 星 4.1～4.7 を獲得する高評価作品かつ名作！（上記『ストア別 読者評価』参照）

『ふしぎ遊戯』や『絶対彼氏。』などで知られる、渡瀬悠宇先生のBL作品。

本作『櫻狩り』は、美しい御曹司と心優しい少年との愛憎を描く大正時代の耽美BLで、渡瀬悠宇作品としては異色だが、BL界の課題図書にしてはどうかと思ってしまう名作だ。と言っても、『櫻狩り』はBL誌ではなく少女漫画雑誌『凛花』の創刊号（2007年6月）から掲載をスタートさせた。BLの枠に留まらない、文学的な匂い漂う作品である。

物語は、斎木蒼磨の美貌と魅力に囚われた人物が次々と死んでいく――陰鬱な世界観、登場人物の誰もが一癖も二癖もある中で、主人公の田神正崇だけが真っ直ぐで清純……かと思いきや、正崇自身も人知れぬ深い傷を持つ。

正崇の主人となる御曹司・斎木蒼磨は、その美貌から西洋人形と呼ばれていた。非情な鬼畜という側面の奥底で、人のぬくもりや愛を求める繊細な人物でもあり、心を歪めるに足る非業の過去を負っている。

物語は丁寧に構築され、細かい伏線もしっかり回収されていく。一旦ページを開いたら最後、読了まで目が離せないだろう。

美貌の御曹司と心優しい少年による狂気の愛憎劇を、ぜひ一度読んでみて下さい♡

おすすめ要素

個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント！

美貌の御曹司×志高き書生、大正浪漫の耽美な愛憎絵巻！

斎木蒼磨の美貌と魅力に囚われた人物が次々と死んでいく――。次々明かされる新事実。
陰鬱な世界観の狂おしい愛と丁寧に構築された巧みな物語に、一度読み始めたらラストまで目が離せない。

これは、紛うことなきBL漫画の名作だ！