BL漫画感想・レビューブログ

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作品紹介

午前2時まで君のもの 上

午前2時まで君のもの 下

ストーリー紹介

感想・レビュー

どんな時も愛し続ける健気美人×眠ると記憶がリセットされる陽キャワンコ。
記憶はリセットされても、目が覚めるたび彼が好き――切なく心に沁みるカウントダウン・ラブ！

発売から約1.5ヶ月、各ストアで 星 4～4.8 を獲得する高評価作品！（上記『ストア別 読者評価』参照）

奥田枠作品はどれも人気があるが、その中でもこの『午前2時まで君のもの』は代表作として残るのではないか。そう思うくらい、心の奥深くに強烈な印象を残す作品だった。

眠ると記憶がリセットされてしまう道夫の切なさ、どんな時もそこに居て愛し続ける恭一の優しさ、彼らをとりまく人物のそれぞれの思い――これらが深く静かに読者の心を浸潤してゆく。

それにしてもなぜこんなに心を動かされるのだろう。

上巻では主に道夫の視点から、下巻では主に恭一の視点から、中学生、大学生、そして社会人になってからのさまざまな出来事や、各々の想いが丁寧に描き出されている。

中には日常の何気ないエピソードも含まれるが、無駄なものはひとつもない。それぞれが物語を印象付け、彼らをより一層好きになったり思わず感情移入してしまうような、狂おしいほど大切な話。

キャラクターデザインやキャラ設定もハマっているように見えた。ルックスも性格も、私はもう彼ら以外には考えられない。
道夫はクリーニング屋の息子。明るくてどこにでもいそうな普通っぽい青年。犬歯が印象的で、照れるとアタフタして顔を真っ赤にする様子が可愛い。その可愛さが、物語が一転したときの切なさを極める。
一方、恭一は体が弱く心も繊細で思慮深い。静かな表情の奥から、常に変わらぬ道夫への優しさや愛情が伝わる。きっと彼らだからより切なくて、温かかったのだ。

そして二人が生活する街並みや、駅のホームの景色。
印象的な表紙から本編に入るまでのイラストには物語を感じ、これから素敵な話が始まると予感させる。道夫が走る街並みからは “地元感” と生活感が漂い、ここで２人は共に過ごし、重ねてきたはずの大切な時間があるのだと愛おしくなる。

これらを含む様々な相乗効果ということだろうか……『午前2時まで君のもの』は、人の心を揺さぶる素晴らしい作品だった。

おすすめ要素

個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント！

切なく愛おしく織り上げる、真夜中過ぎのカウントダウン・ラブ！

事故のせいで、眠る度に記憶がリセットされてしまう道夫。
記憶はリセットされても、学生時代からずっと恭一のことが好き。

巧みなストーリー構成で魅せる、優しさと切なさが重なり合った珠玉のラブストーリー！