著者 | 本仁戻 |
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出版社 | リブレ |
レーベル | スーパービーボーイコミックス |
シリーズ | - |
発売日 | 2009/06/10 |
価格 | ¥590(税抜) |
五編の漫画と一編の小説、前半と後半で趣の異なる計六編を収録。
前半は、本仁戻先生曰く「耽美三部作」。真骨頂とも言うべき艶めかしく背徳的な耽美の世界。
比して後半は、ファンタジーや軽快なギャグなど他面が顔を覗かせる。
この両極端、個性豊かな本仁戻ワールドに驚嘆して下さい!
- 読み応えのある短編集が読みたい!
- 独自に想像を巡らせて楽しみたい!
- 耽美の世界を覗いてみたい!
目 次
概要と評価
あらすじ
「味噌汁の上手い家政婦(出来れば美少年)募集」その貼り紙を見て、気鋭のミステリ作家・紫乃の屋敷へやって来たのは、少年と言うにはトウがたつ美青年・三須だった。プラトニックとエロスの間で揺れる男達の刹那な恋模様…。耽美の雄、本仁戻が贈る傑作選。
スーパービーボーイコミックス
収録作品
ヴィスコンティの映画のように |
ロマンティック |
浄められた夜 |
ヘタリマ! |
コロシヤドロップ |
浸蝕する死のカスパール |
あとがき |
電子書籍kindle参照。紙・電子・書店によって異なる場合があります。
カップリングと登場人物
ヴィスコンティの映画のように
攻
受
ストーリー紹介
その甘美なこと、この悪徳の快感
「大募集!!味噌汁の上手い家政婦(出来れば美少年)」と書かれた貼り紙を見て、人気ミステリ作家・紫乃の屋敷へやって来た三須。
三須は、紫乃のことを耽美主義者で本質はプラトニックだという。しかし紫乃のほうは、それとは別の心境に至っていた。
本仁戻の耽美なる物語…短編集。
感想・レビュー
全てを懸け己の美を欲す男たち。
プラトニックか肉欲か、罠に掛かったのは誰なのか――。
五編の漫画と、一編の小説を収録。
始めの三編は、『ヴィスコンティの映画のように』に登場する宝条 紫乃が書いた作品という設定になっており、三須君というキャラクターのセリフを通して以下のように述べられる。
三作がこの順番で本作の始めに収録され、一度目にすべてを理解できた気になれないのが面白い。思わず二度目三度目と読み返すことになるが、その都度に味わい深くなる短編集だ。
この始めの三編のことを、「自称『耽美三部作』あるいは『メガネ三部作』」と本仁戻先生はあとがきで書いているが、前半と後半で趣が異なる。
前半の耽美さは、いきなりラスボス登場しちゃった重力感。わたしはこの三編に共通して怖さのようなものを感じた。一見、罠に掛けたように見える人が、全く逆のようにも見える。一体どれだけ仕掛けを用意しているんだろう…あれこれ想像を巡らせるのがとても楽しい。
二編目の『ロマンティック』は、まだ全貌が見えない。この作品は完結に至っていないが、二人の物語が『グラン・ギニョール』として単行本化されている。とても素晴らしい作品だ。
そして後半は、一変してファンタジーやギャグが入ってくる。これも本仁戻先生の凄いところで、緊張感や湿度の高い世界観と、カラッと笑えてテンポ良く展開する爽快な世界観の、両極端がそれぞれ高度に完成されている。登場するキャラクター達の活き活きとして個性豊かなこと!
本仁戻作品を読んでいると、どうしても絵やストーリーに心を奪われてしまうが、構図やコマ割りも凄い…凄いを通り越して強烈…そしてフキダシさえ芸術…本仁先生の作品はまさに総合芸術なのだ。
ところで、初めて『耽美主義』を読んだとき、わたしはあとがきに書かれたこの言葉に衝撃を受けた。
本仁戻先生の作品は、言葉が限界まで削ぎ落とされているように感じる。答えも強要せず、砂金のようなヒントが散りばめられる。
きっと読者を信頼しているのだろう、思索できる楽しみを用意していると思う。未読の方はぜひ手にとり、自分なりの答えを見つけながら楽しんで欲しい。
ココが性癖に突き刺さった!
- キャラクターの本心を探る面白さがたまらない!一体、誰が罠に嵌めてるの?
- 言葉以上に雄弁に見える、表情の微妙な変化が魅力的!
- 短編とは思えない情報量と読後感!
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
五編の漫画と一編の小説、前半と後半で趣の異なる六編を収録。
前半は、本仁戻先生曰く「耽美三部作」。真骨頂とも言うべき艶めかしく背徳的な耽美の世界。
比して後半は、ファンタジーや軽快なギャグなど他面が顔を覗かせる。
この両極端、個性豊かな本仁戻ワールドに驚嘆して下さい!
- 読み応えのある短編集が読みたい!
- 独自に想像を巡らせて楽しみたい!
- 耽美の世界を覗いてみたい!