著者 | 本仁戻 |
---|---|
出版社 | リブレ |
レーベル | ビーボーイコミックスDX |
シリーズ | - |
発売日 | 一巻:2016/08/10 |
二巻: | |
価格 | 一巻:¥629(税抜) |
二巻: |
耽美の雄・本仁戻が描く"禁欲"と"精神的SM"の世界。
子爵とドイツ人執事の、高潔さの証として直接交わらない「禁欲愛」が、独特の世界観と文学的セリフ回しで蠱惑的に描かれる。
際どいテーマも忌避することなく、タブーさえものともせず、何者にも阿らない孤高の作品…この魅力に捕らえられた人は、もう二度と戻れない!
- 構成・ストーリーが深く練り込まれた、完成度の高い作品が読みたい!
- 耽美・淫靡・退廃・背徳・インモラルなどの言葉にピンとくる!
- 解答への説明も誘導もない、思考を巡らせる余地がある作品が読みたい!
概要と評価
概要
ジャンル・設定 | 退廃・背徳・インモラル|人間ドラマ|変態|主従|浮気・三角関係 |
---|---|
トーン | 耽美|淫靡|ダーク|シリアス|ディープ |
エロ度 | エロエロ |
修正* | 白抜き |
プレイ(一部) | 3P|異物挿入|人前|乳首責め|緊縛|アナル責め|陵辱 |
重点 | ストーリー重視|世界観重視 |
エモーション | 切ない|衝撃 |
場所 | 日本 |
時代 | 大正または昭和初期? |
ページ数** | 一巻:196p. |
二巻:p. | |
メディア化 | - |
BLアワード | BLアワード 2017「BESTディープ 」4位 |
* ** 電子書籍kindle参照。修正の呼称は上図。
** 表紙含む総ページ数。
個人評価
ストーリー | |
---|---|
ラブラブ度 | |
エロ度 | |
心情描写 | |
キャラクター | |
絵・構図 | |
背景 | |
インパクト |
カップリングと登場人物
攻
受
脇役・当て馬
須蛾子爵の友人。
須蛾子爵の妻。コンラートの存在を快く思っていない。
須蛾子爵家の女中頭。使用人達の支配者的立場。
須蛾子爵家の家畜番。
須蛾子爵家の女中。覗き癖があり、コンラートの着替えを観るのがとくに好き。
須蛾子爵の友人。英国留学中に訪れたドイツでコンラートと知り合い、夜を徹して論争して負けた。それからコンラートの虜。
グラン・ギニョール【1】|作品紹介
同時収録作品
あとがき |
電子書籍kindle参照。紙・電子・書店によって異なる場合があります。
あらすじ
「僕の執事になって欲しい」
ビーボーイコミックスDX
ドイツ旅行中の須蛾子爵に請われ、国を捨て彼の忠実な僕(しもべ)となったコンラート。
「男娼」と噂されるが、互いへの愛の"高潔さの証"として決して交わろうとはしなかった。
だがある晩、コンラートは怪しげな屋敷に連れて行かれ、主人の欲望を満たすために目前で、「醜悪な痴態」を演じることを強要される…!!
描き下ろし32ページを加えて、華麗なる性の饗宴が開幕する。
ストーリー紹介
この忍耐こそが、互いの愛の深さと信じてきた
コンラートはドイツ旅行中の須蛾子爵に請われ、すべてを捨て執事になることを受け入れた。
男妾と噂され非難と嘲笑を浴びるが、互いへの愛の"高潔さの証"として、決して交わろうとはしない。二人は、この忍耐こそ互いの愛の深さと信じている。
そんなある晩、コンラートへの欲望を抑えきれなくなった主人が彼を呼ぶ。コンラートは目隠しをされて屋敷に連れられ、主人の欲を満たすため悪趣味な痴態を演じさせられた。
傷心するコンラートだったが、あることをきっかけに彼も主人の欲望を理解してしまう。
感想・レビュー
高潔さの証として直接交わらない、子爵とドイツ人執事の禁欲愛。
耽美の雄・本仁戻が描く、「禁欲」と「精神的SM」の世界。
この「禁欲」と「精神的SM」というのは、『耽美主義』のあとがきで本仁戻先生自ら、本作の冒頭に掲載された『ロマンティック』のテーマとして記されている。
NTR、複数、殺人など、地雷を持つ人が多いテーマを忌避することもなく、タブーさえものともせず、独特の完成された世界観を描く何者にも阿らない作品。
BLにおいては特に"不確実性""不可能性"のような、切なさを際立たせる要素が肝になる場合が多いが、その表現方法は少なからず時代背景が影響を及ぼし、BLでの表現も少しずつ変化してきた。本仁戻先生はそれを独自の世界観で創り出すことに卓越しており、時代を先取りしているとも思う。
2016年に発売されたこの作品では、互いへの愛の"高潔さの証"として直接交わらない、子爵とドイツ人執事の物語を描いた。彼らはその忍耐こそ互いの愛の深さと信じている。(初出は恐らく 2008年12月『b-BOY Phoenix ⑮』に掲載された『ロマンティック』)
禁欲…あるいは欲望にかられる淫靡な世界は、まさに息をのむ美しさ。それは、絵も、言葉も。人物はもちろん、背景まで計算された美しい絵(台詞にアール・ヌーヴォーとアール・デコの対比があったけど、それが背景でも生かされてるんだよね)、非常に緻密な構成、それに加え文学的な本仁節も炸裂しており、特異な世界観であるにも関わらず疑問を挟む余地もなくのめり込んでしまう。
平たく言えば、変態的なエロ、官能的な描写も続く。
だが、肉感的なエロチシズムの迫力に負けないくらい、いやそれ以上に、精神的なやりとりが凄い。わたしは彼らの心の動きや本音を探るのに夢中になった。
この作品に魅了された人は、きっと心の奥深くまで捕らえられてしまうだろう。嵌ったら抜け出せない、特別な魅力のある作品だ。
BLの館でお勧めする以上、これは触れておかねばならないと思うが、あとがきで、完結に大どんでん返しがあることが明示されているものの、大人の事情で二巻の発売が難しいとも書かれている。現在のところ、二巻を手にすることができるかどうかの確約はない。…何としても続きが読みたい。
最後に、どうしても言いたいことがあるんだ…紙のp.57の絵が…表紙の須蛾の指が少し動いた先なんだよね。これにすごく萌えた♡
ココが性癖に突き刺さった!
- 練り込まれた構成とストーリー、本仁戻先生ならではの文学的セリフ回しが美しくて息苦しいほど!
- コンラートの"淫靡が禁欲に戒められている"姿に悶絶!
- 肉体的なエロと精神的なエロの鬩ぎ合いに、眩暈がしそう!
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
耽美の雄・本仁戻が描く"禁欲"と"精神的SM"の世界。
子爵とドイツ人執事の、高潔さの証として直接交わらない「禁欲愛」が、独特の世界観と文学的セリフ回しで蠱惑的に描かれる。
際どいテーマも忌避することなく、タブーさえものともせず、何者にも阿らない孤高の作品…この魅力に捕らえられた人は、もう二度と戻れない!
- 構成・ストーリーが深く練り込まれた、完成度の高い作品が読みたい!
- 耽美・淫靡・退廃・背徳・インモラルなどの言葉にピンとくる!
- 解答への説明も誘導もない、思考を巡らせる余地がある作品が読みたい!