著者 | 永井三郎 |
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出版社 | ふゅーじょんぷろだくと |
レーベル | ふゅーじょんぷろだくと |
シリーズ | スメルズライクグリーンスピリット |
発売日 | SIDE-A 2012/05/24 |
SIDE-B 2013/04/24 | |
価格 | SIDE-A ¥680(税抜 |
SIDE-B ¥680(税抜) |
女性漫画・少女漫画から出ているこの作品は、「ボーイズラブ」と言うには枠が小さいかもしれない。
誰もが抱える人生の重いテーマが横たわっている。しかし重くなり過ぎない絶妙なバランスで描かれている。
読めばきっと、忘れられない作品になるはず。
- 悩める少年の葛藤や青春のキラキラが見たい!
- 考えさせられる作品が読みたい!
- 名作が読みたい!
概要と評価
概要
ジャンル | 少女漫画・女性漫画:人間ドラマ/青春・学園ドラマ |
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トーン | シリアス/ダーク/あまあま |
エロ度 | SIDE-A:エロなし SIDE-B:エロ少なめ |
修正* | 下腹部描写なし |
キャラクター | 三島(学生から社会人) |
桐野(学生から社会人) | |
柳田(社会科教師) | |
重点 | ストーリー |
場所 | 学園/田舎 |
時代 | 現代 |
ページ数** | SIDE-A:135p. |
SIDE-B:213p. |
* ** 電子書籍シーモア参照。修正の呼称は上図。
** 表紙含む総ページ数。
個人評価
ストーリー | ★★★★★ |
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ラブ度・心情描写 | ★★★★☆ |
キャラクター | ★★★★★ |
絵 | ★★★★★ |
背景 | ★★★☆☆ |
インパクト | ★★★★★ |
スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-A|作品紹介
あらすじ
ド田舎の学生・三島は同級生からイジメられていた。理由は三島が“ホモっぽい”から。実際に男性が好きな三島は抵抗もせず、隠れてする女装だけが心の拠り所だった。ある日、三島が屋上にいると、以前なくした口紅を持ったイジメグループのリーダー・桐野を目撃する。彼は三島の使った口紅を、自らの唇に塗ろうとしていて…。この世界のどこかで“本当の自分”でいられる場所を求めた少年達の、今、一番伝えたい青春ストーリー。
ふゅーじょんぷろだくと
感想・レビュー
ああ、葛藤する少年の美しさよ!
自分の性的嗜好が分からない、薄々気付いても認めるのが怖い、素直に表現できない。
『スメルズ ライク グリーン スピリット』は、青春時代の性の葛藤を繊細に描いた作品だ。悩み、傷つきながら、それぞれの答えを模索する。その姿を見て、読者は考えさせられずにはいられない。
それにしても永井三郎先生の作品は不思議だ。
少年漫画的でもあり少女漫画的でもある。その性別を超えた独特な個性と少年の葛藤がとてもよくマッチして、またとない作品に仕上がっている。
テーマは人生に関わる重さがあり、ダークな題材も表現されているのに、独特の作風によって心が沈むことはない。
たとえば程好くギャグが散りばめられていて絵柄もカワイイ。しかしそれ以上に、作品全体を通して主人公三島の強さが要となっている。自らの美しさに対してだけではない、確固とした自信と自身への信頼感。他者が汚そうとしても、決して侵されない。だからダークなのにどこか安心して読み進められる。
がッ!
油断していると最後の最後でハラハラよー!!!どうなっちゃうのーっ!?
スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-B|作品紹介
あらすじ
女装が好き、オトコが好き、 それは口に出来ない一夏の秘密。 大人が泣けるゲイ男子の青春。
ふゅーじょんぷろだくと
女装癖がある、同性が好き、“人とはどこか違う”…悩みを打ち明ける事で、クラスのいじめられっ子だった三島と、いじめっ子だった桐野は固い絆で結ばれる。しかし束の間の平和は、三島が社会科教師・柳田に目をつけられた事からガラガラと崩れ始める。小さな田舎町に駆け巡るウワサや、息子へ多大な期待を寄せる母の思い、その全てと対峙しながら三島と桐野、2人が導きだす答えとは――。
人は幸せになる為に、何を置き去りにしなければならないのか…誰しもが人生で向き合う葛藤に挑む少年達の姿がグサリ、グサリと心を突き刺す。
感想・レビュー
人生とはかくも難しきものかな。
葛藤の末、選択するものと置き去りにするもの。
少年達は葛藤の末、それぞれの答えを見つけていく。
わたしには意外とも思える結末だったが、答えは本人の中にしかないのだから、きっとこれでいいんだ。人の数だけ答えが存在する。
青春時代の葛藤や楽しかった思い出。それが何とも懐かしく思い出されるような、素敵な名作だった。三島と桐野の楽しかったあの短い時間は、あまりにキラキラ眩しく切ない。
幸せへの選択、自分の生きる道。
そんなことを考えたとき、セクシャルマイノリティでなくとも、葛藤し、悩み、選んだ末に何かを捨てた経験はあるだろう。だからこそ、この作品の切なさが強く胸に突き刺さる。
三島は、作品の最初から最後まで強く美しい人だった。
それでもやっぱり、ちょっと想像する。このキャラ達、数十年後どうしてるかな? 特に桐野はどうだろう。そんなことを思わずにはいられない、リアルに人生を考えさせられる作品だった。
ジャンルは女性漫画・少女漫画から出ているこの作品だが、BLとしても永久保存しておきたい名作だと思った。
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
女性漫画・少女漫画から出ているこの作品は、「ボーイズラブ」と言うには枠が小さいかもしれない。誰もが抱える人生の重いテーマが横たわっている。しかし重くなり過ぎない絶妙なバランスで描かれている。
読めばきっと、忘れられない作品になるはず。
- 悩める少年の葛藤や青春のキラキラが見たい!
- 考えさせられる作品が読みたい!
- 名作が読みたい!