著者 | 麻生ミツ晃 |
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出版社 | 海王社 |
レーベル | GUSH COMICS |
シリーズ | - |
発売日 | 1巻:2021/08/10 |
電子発売日 | 1巻:2021/08/13 |
価格 | 1巻:737 円(税込) |
互いに無いものを慈しむ、心震える至高のラブストーリー!
音を奏でる孤高のバイオリニストと、音を知らない難聴のデイトレーダーの出会いは、まだ見ぬ世界へと繋がっていく。
無駄なく練られた展開、切なく胸に迫る心情描写、そして、全体を包む優しい空気感。
丁寧に違いを慈しみ、想いをゆっくり育む様子は、恋の始まりのドキドキ感で充満しています♡
- 絵もストーリーもキャラクターも!欲張りセットで読みたい!
- 優しく心が温まる、日常のヒトコマが見たい!
- 切ない恋の物語を、ゆっくり丁寧に読みたい!
概要と評価
概要
ページ数* | 1巻:193 p. |
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メディア化 | - |
アワード | - |
ジャンル・設定 | 年の差|片思い|人間ドラマ |
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トーン | シリアス|ほのぼの |
プレイ | キス |
エロ度 | 1巻:エロなし |
修正** | 1巻:下腹部描写なし |
重点 | ストーリー重視|情感・世界観重視 |
エモーション | 切ない |
場所 | 日本 |
時代 | 現代 |
* 表紙含む総ページ数。
* ** 電子書籍シーモア参照。修正の呼称は上図。
ストア別 読者評価
Renta! | (163 件) |
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シーモア | (176 件) |
Amazon | (145 件) |
ebook | (203 件) |
BookLive | (64 件) |
DMM | (7 件) |
2021年10月20日現在(発売から約2ヶ月)
BLの館 独自評価
ストーリー | |
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ラブラブ度 | |
エロ度 | |
心情描写 | |
キャラクター | |
絵・構図 | |
背景 | |
インパクト |
カップリングと登場人物
攻
受
脇役・当て馬
壬生十嘉が通う音大の教師。十嘉を特待生として招いた人でもある。
五十鈴歩の友人。小さな投資会社を立ち上げ、五十鈴を勧誘している。大学時代、五十鈴にノートテイクしていた。
作品紹介
世界でいちばん遠い恋 1
あらすじ
[五十鈴 歩、29歳、投資家]
重度の感音性難聴だが、それ故に人よりも自立しなければという意識が強く、人に甘えることに不器用。[壬生十嘉、19歳、バイオリニスト]
才能はあるが、群れない性格と異質な演奏スタイルから大学では孤立し、疎まれている。音を知らない五十鈴と音を奏でる十嘉、偶然出会った二人は、互いに“無いもの”を楽しむかのように距離を縮めていく。五十鈴に惹かれている自分に気づいた十嘉は、臆することなく真っすぐ感情をぶつけるが、そんな十嘉に五十鈴は戸惑うばかりで…?
GUSH COMICS
話題作『リバース』の麻生ミツ晃による、心震わす至高のラブストーリー
同時収録作品
描き下ろし 翌朝のこと |
あとがき |
電子限定かきおろし漫画(4p.) |
電子書籍シーモア参照。紙・電子・書店によって異なる場合があります。
感想・レビュー
音を奏でる孤高のバイオリニスト×音を知らない難聴のデイトレーダー。
ゆっくり距離を縮める優しい恋の始まりに、こみ上げる切なさが止まらない!
発売から約2ヶ月、多くのストアで 星 4.9 を獲得する超高評価作品!(上記『ストア別 読者評価』参照)
これまた凄い作品が出た。
十嘉は孤高のバイオリニスト。英才教育が基本のクラシック界において、彼は異端だった。環境の整わない離島で育ち、弾き方は動画で、音はCDで学び、音符も読めない。そんな十嘉は譜面を重視せず、自分の世界に没入しがちで、先生からは「君の “聞けばわかるだろ” という態度は傲慢だ」と指摘される。
一方、五十鈴は難聴で音が聴こえない。
十嘉にとって、彼との会話は不思議だった。手段もテンポもこれまでの会話とは異なる。自分のペースで話しても伝わらず、五十鈴の返事は遅い。そのとき、焦るような、待ちきれないような、待ちわびるような気持ちになっていた。五十鈴は少しでも気持ちが相手に伝わるよう、わざと表情を大きくする。
五十鈴の母は、難聴である五十鈴の自立を強く促す女性だった。その影響で、五十鈴は一人で生きられるよう誰より努力した反面、人に頼ったり甘えたりすることには不器用。五十鈴はモテるが、いつも「自分には勿体ない」と言われフラれてしまう。この作品の「試し読み」でも見ることができる別れの場面では、女性が右手で左頬に触れている。これは恐らく、手話で「もったいない」を意味していると思う。
二人は他の人にないモノを持ち、多くが持っているモノを持たない。
十嘉にとって、普段見過ごしてしまう大切なことに気付かせてくれる五十鈴は貴重な存在だったし、五十鈴のほうも、優しい人に気遣われるより、同情もせず真っ直ぐ接してくれる十嘉との会話は楽だった。互いの違いを慈しむ様子は、恋の始まりの予感を掻き立てる。
この作品のそで部分には、著者の言葉として「ゆっくり優しく進む、柔らかいお話をめざしました。」と書かれている。確かにゆっくり優しく進む話で、読者もその成り行きを丁寧に見守ることができるが、中だるみ感が全くないことに驚く。常に物語は展開し、最後の1ページまで夢中にさせられたままだった。
彼らの心情やその変化が、痛く切ないほど伝わる。微妙な変化さえ、表情や背景で見事に現出させるのも凄い。セリフの1つ、コマの1つが、一切緩むことなく計算された密度の高さ。
十嘉が恋に落ちた瞬間も、五十鈴が惹かれてゆく過程も、はっきりと伝わってくる。
さらに物語が進むと、二人の心理的な距離が縮み、恋が実る予感に満たされてゆく。たとえば、
あーなんと巧妙に恋の始まりのドキドキ感を表現しているんだろう!
麻生ミツ晃先生がBL界屈指のストーリーテラーであることは重々承知の上だが、本作で改めて目を見張る場面が多かった。頭に浮かんだストーリーを、様々な技術で表現させる力を併せ持つことも奇跡。宝のような素晴らしい作家だと思う。2巻がとても待ち遠しい。いよいよ、恋……実るかな。
ココが性癖に突き刺さった!
- 丁寧に描かれた切ないストーリーがたまらない!
- 心情描写が素晴らしく、切なさが止まらない!
- 恋の始まりのワクワクドキドキが、中だるみ感ナシでたっぷり楽しめる!
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
互いに無いものを慈しむ、心震える至高のラブストーリー!
音を奏でる孤高のバイオリニストと、音を知らない難聴のデイトレーダーの出会いは、まだ見ぬ世界へと繋がっていく。
無駄なく練られた展開、切なく胸に迫る心情描写、そして、全体を包む優しい空気感。
丁寧に違いを慈しみ、想いをゆっくり育む様子は、恋の始まりのドキドキ感で充満しています♡
- 絵もストーリーもキャラクターも!欲張りセットで読みたい!
- 優しく心が温まる、日常のヒトコマが見たい!
- 切ない恋の物語を、ゆっくり丁寧に読みたい!