【感想･おすすめ要素】失恋ジャンキー｜鷹「壮大に空回る両片想い」

あ～ぁ… これが本当のセックスならいいのになぁ……。

親友の龍次郎（りゅうじろう）にこっそり片想いをしている彗太（けいた）は、彼の面影を追い求め、今日もノンケに恋をする。
毎回上手くいかずに終わってしまうが、失恋の傷を癒やしてくれるのもまた龍次郎。
しかも、傷心中の彗太を恋人のように抱くという方法で…！！
高校時代、クラスで浮いていた彗太を唯一気にかけてくれた龍次郎はたしかに超イイ奴だけどーーその気がねぇなら、そんなに優しくすんな！！！！
KiR comics

同時収録作品

あとがき

描き下ろし（8p.）

電子限定漫画（1p.）

電子書籍シーモア参照。紙・電子・書店によって異なる場合があります。

概要

ページ数*	191p.
メディア化	－
アワード	－

ジャンル・設定	すれ違い｜両片思い
トーン	コミカル・シュール
プレイ	正常位｜対面座位｜バック他
エロ度	エロ標準
修正**	白抜き
重点	ストーリー重視
エモーション	萌える｜切ない｜笑える
場所	日本
時代	現代

* 表紙含む総ページ数。
* ** 電子書籍シーモア参照。修正の呼称は上図。

BLの館独自評価

ストーリー	4.0
ラブラブ度	5.0
エロ度	4.0
心情描写	4.0
キャラクター	5.0
絵・構図	3.5
背景	4.0
インパクト	4.0

カップリングと登場人物

攻

橘龍次郎（たちばなりゅうじろう）

20代攻め｜黒髪攻め｜ヘタレ攻め｜クーデレ攻め｜健気攻め

24歳。会社員。高校時代、ヤンキーとして恐れられていた彗太に話しかけ、仲良くしていた。彗太がフラれるたび、優しく慰める。

受

真白彗太（ましろけいた）

20代受け｜ゲイ｜ヤンキー受け｜やんちゃ受け｜強気受け｜ヘタレ受け

24歳。コンビニ店員。ノンケにばかり恋をして、すぐに終わってしまう。龍次郎とは高校の同級生。

ストーリー紹介

俺が好きなのはお前だよ!!!

彗太はノンケに恋をしてはフラれ、そのたび親友の龍次郎に慰められていた。寂しい時には恋人のように抱いてくれる。

「これが本当のセックスならいいのになぁ…」

しかし彗太がノンケを好きなのは、龍次郎がノンケだから。龍次郎みたいな人と付き合って、龍次郎をあきらめようとしているのだ。

優しい龍次郎の態度に、勘違いしそうになる彗太。どうすればいいのか分からなくなり、距離をとるのが一番だと龍次郎を避けるようにしてみたものの、寂しくてたまらない。

「龍次郎を忘れられる恋をしよう」とゲイバーを訪れた彗太だったが、思ってもない驚きの展開が……!!

感想・レビュー

顔に似合わぬクソデカ感情男×恋愛体質なノンケ専。
壮大に空回る両片想い、精悍な印象の下に隠されたギャップに萌える！

鷹先生デビューコミックス。発売から１ヶ月超現在、Amazon で4.8/5（150名）、シーモアで 4.7/5（150名）、Renta! で 4.5/5（151名）の人気作！評価も高いが、分母も多い。

絵のイメージからは精悍な印象を受けるが、読んでみると良い意味で裏切られる。
クールっぽいのに感情豊か×喧嘩っ早いのに泣き虫という二人。男らしい顔で実はメソメソ、相手の気持ちを考え（て失敗して）るし、彼らの内面は繊細でとても可愛い。この見た目に反する二面性が実に魅力的。

これを「ギャップ萌え」と言えば珍しくないパターンだと思うかもしれないが、クールキャラをこんな形で崩してくるのは独特だと思う。龍次郎の “化けの皮” が剥がれ素顔が現れる場面は、本作の大きな魅力であると同時に転換点。そして、そのあと始まる龍次郎目線の４話は、意外な一面の連続で萌えるし笑えるし、彼の内面が分かってもっと好きになる。鷹先生ならではの個性と突き抜けた表現を楽しむことができた。

ところで、鷹先生によると、普段の龍次郎は１話のまんまだとのこと。１話といえば龍次郎のカッコ良くてクールな面が引き立っている章節だ。ということは、彗太のことになると途端に不器用で可愛くなっちゃうんだな！

物語としては王道で、来てほしいところを刺してくる心地よさがあるが、この作品特有の魅力は先述したキャラの崩し方に加え、全体の勢い。迷いもなく展開していく力強さと振り切り方に、読者はどんどん引き込まれていく。

必死に恋する二人は頑張れば頑張るほど空回ってるけど、両片想いなのに甘々バカップルに見えてくる相性の良さ。
そんな彼らの心がめでたく結ばれるまでを、萌えたり笑ったりしながら温かい気持ちで楽しく見守ることができる良作だ。さらに描き下ろし漫画では、旅行デートのイチャラブと二人の笑えるやりとりを覗くこともできる。