泥棒のジミーは、スリの現場を中年の男・リースに取り押さえられた。仕返しをしようと、彼の家に空き巣に入ったが、彼が元警官で、さらにある“トラウマ”を持っていることを知る。複雑な過去を持つ大人の男への好奇心は、傍に近付くほど、急速に恋心へと変わっていって――。

表題作の色気たっぷりな単行本大量描き下ろし、傲慢な芸能エージェント×落ちぶれた中年役者の読み切り「ラッキー・ビル」を収録、オトナの男達のリアルな恋を描いた一冊。
ビーボーイ

同時収録作品

ラッキー・ビル

ラッキー・ドランカー

概要

ジャンル	人間ドラマ
トーン	シリアス
エロ度	エロ標準
修正*	白抜き
キャラクター	ジミー（スリの現行犯）
キャラクター	リース（元警官の本屋店員）
場所	アメリカニューヨーク
時代	現代
重点	ストーリー
エモーション	切ない
ページ数**	189p.

* ** 電子書籍シーモア参照。修正の呼称は上図。
** 表紙含む総ページ数。

BLの館独自評価

ストーリー	★★★★☆
ラブ度・心情描写	★★★★★
キャラクター	★★★★★
絵	★★★★★
背景	★★★★☆
インパクト	★★★★☆

感想・レビュー

ページを開くとそこは…渋いオトナの恋の世界。
絵とストーリーから色気がムンムン溢れてる♡

ページを開いたら、もうそこに世界観が出来上がってる感じが凄い。この絵の力…物語を読み進める前に、すぐその世界に入ってしまう。

トラウマを抱えてちょっと弱った男が纏う大人の色気。その色気も狙い過ぎてないのがいい。人生を重ねた大人の内面から滲み出るような色気を感じさせる。

ポーズもセリフも表情も、とても自然でカッコいい。

さらにストーリー展開も自然。“むりやり感” みたいな引っかかりなく物語が動いていくから、全体を通してとても読みやすい。

やつれ気味の男と、考えなしの若い男。二人が出会い、お互いどう変化していくのか－－。男たちの未来に期待できる読後感。

同時収録作品もキャラ設定が似ており、人生を彷徨い始めた中年俳優が登場して、かつて喧嘩別れした俳優仲間と再会することにより人生が動き始める。いずれの作品も、キャラクター達の出会いや再会をきっかけに、人生が変わりはじめる物語だ。

全く違う２つの物語だが、共通点があるため心地良い流れのまま読み進むことができ、読後は「みんなよかったね」と思わずにいられなかった。