著者 | ためこう |
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出版社 | 祥伝社 |
レーベル | on BLUE comics |
シリーズ | - |
発売日 | 一巻:2017/10/25 |
二巻:2017/10/25 | |
価格 | 一巻:¥650(税抜) |
二巻:¥650(税抜) |
ためこう作品の中で、最もストーリーで読ませる作品かもしれない。
本命とセフレの人格が入れ替わる、三角関係。それぞれの一途な恋と、絡み合う矢印の先。主人公・戸塚が選ぶのは、心か、身体か、そして誰なのか。
それぞれの焦がれる恋心が切ない、入れ替わりラブストーリー!
- ストーリーを楽しめる、長編作品が読みたい!
- 「愛しているのは、心か身体か?」大きなテーマを扱う物語が読みたい!
- 青年たちが真剣に愛を求め、選び取って行く姿が見たい!
概要と評価
概要
ジャンル・設定 | 片思い|精神的負債|三角関係|再会|同級生|片思い|攻め視点 |
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トーン | シリアス |
エロ度 | エロ標準 |
修正* | トーン |
プレイ | バック|乳首責め|アナル責め |
重点 | ストーリー |
エモーション | 切ない|衝撃|痛い|泣ける|考えさせられる |
場所 | 日本 |
時代 | 現代 |
ページ数** | 一巻:176p. |
二巻:192p. | |
メディア化 | - |
BLアワード | - |
* ** 電子書籍シーモア参照。修正の呼称は上図。
** 表紙含む総ページ数。
BLの館 独自評価
ストーリー | |
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ラブラブ度 | |
エロ度 | |
心情描写 | |
キャラクター | |
絵・構図 | |
背景 | |
インパクト |
カップリングと登場人物
攻
大学生。高校からの親友・白島に片思いをしてきた。白島を大切に思うあまり告白もできず、親友のままでいる。口が悪く自分勝手だが、好きな相手には一途。
受
その他
大学生。名塚省吾の片思い相手。美形で優等生。実家が病院で頭が良く運動もできる、完璧な文武両道タイプ。
作品紹介
カッコウの夢 上
同時収録作品
なし |
電子書籍シーモア参照。紙・電子・書店によって異なる場合があります。
あらすじ
「今の白島(本命)なら抱いても汚れはしないんだ」大学生の名塚(なつか)は、高校からの親友・白島(はくしま)に4年間片思い中。しかし、眩しく完璧な白島を汚せないと告白できず、破裂しそうな恋心を抑えるために、白島の代わりとしてセフレの瀬野(せの)を抱いている。ある日、瀬野のバイクと白島が事故に遭い、白島は意識不明に。一方、目覚めた瀬野は「俺は白島だ」と言い出した! 本命の魂が抱き慣れたセフレの体に入ったことで、名塚は「この身体なら白島に触れる」と思ってしまい――。
on BLUE comics
愛しているのは心か、身体か。入れ替わり三角関係ラブストーリー。
カッコウの夢 下
同時収録作品
bonus track(描き下ろし) |
電子書籍シーモア参照。紙・電子・書店によって異なる場合があります。
あらすじ
セフレの身体に入った本命と両思いに――。しかし、本命の「身体」が目覚めて…!?
on BLUE comics
「一生このままの身体でも愛してくれるのか」名塚(なつか)は、瀬野(せの)の身体に入った白島(はくしま)に4年越しの恋心を告白。身体を丹念に愛撫して事に及ぼうとするが「魂を愛してほしい」と拒まれる。困惑する名塚だが、傍に居続けることで思いを深め、「たとえ一生元に戻らなくても愛する」と再度告げる。ついに結ばれた2人が互いの身体に溺れ合う中、白島の「身体」が目覚めたと連絡が入り…!? 白島と瀬野の入れ替わりはどうなる? そして、名塚の決断は――?
愛しているのは心か、身体か。入れ替わり三角関係ラブストーリー。
ストーリー紹介
愛しているのは、心か身体か。
名塚は高校の時から4年間、親友の白島に片思いをしてきた。しかし完璧で眩しい白島を汚せないと告白できず、白島の代わりにセフレの瀬野を抱いている。
ある日、瀬野のバイクと白島が事故に遭い、目覚めた瀬野は「俺は白島だ」と言い出す。白島は意識不明のまま。白島と瀬野は体が入れ替わってしまったのか?
心と身体、焦がれる相手との間で揺れ動く、三角関係。
感想・レビュー
片恋相手とセフレの人格が入れ替わった!?
選ぶのは、心か、身体か。三人の焦がれる恋心の行き先は……?
人格が入れ替わる"入れ替わり物"は珍しくないが、本作『カッコウの夢』の特異な点は「何をもって"好き"と言えるのか。身体や家柄なのか、それとも心や魂なのか」という、愛を巡る大きなテーマが付加され、キャラクター達の葛藤や逡巡が変化しながら展開していること。そして、入れ替わった本人ではなく、第三者の名塚視点から描かれていること。
三人の青年たちの矢印の行方が複雑に絡み合い、相手を思うが故の悩みや破滅的な行動、思いを表現できないもどかしさや切なさなど、読者の心に痛いほど揺さぶりをかけてくる。
そのうえ、物語を読み進めるにつれ驚く展開が次々と用意され、どんでん返しの後にまたどんでん返しという調子で、最後の最後まで気が抜けない。
『カッコウの夢』というタイトルにも意味がある。カッコウは、他の鳥の巣に産み落とされ、孵化すると他の卵を落とし自分だけ餌を受けるが、それがキャラクター達の苦しい想いと重なり切なさがより深化する。
名塚は、思い焦がれた片思いの相手とセフレの間で、"身体"または"心"の選択を余儀なくされる。彼が選び取るのはどちらなのか、そして、選んだ先には誰がいるのか、驚きの展開に衝撃を受けながら読み進めると、それらの答えは明確にいくつかの場所に用意されている。「あの時の違和感の答えは、ここにあったのか」と、伏線もしっかり回収される。
ここで、作品の魅力をより理解できる、ためこう先生の発言をご紹介したい。
Q. 今作を含め、ためこう先生の作品は「家族」がテーマになっているものがいくつかあると思います。今作における家族の役割についてうかがえますか?
ちるちる
今作、家族と接している時のキャラは、ちゃんと素を出しているように描きました。
今作の主人公の名塚は本当に人づきあいが苦手で嫌われ者なんですが、ちゃんと人を愛する事ができる設定です。
それは主人公が家族からちゃんと愛されてる過去があるからで…。
家族とどう接しているのかで、それぞれのキャラクターは本当はどんなやつなのかわかると思います。
今作での家族は、キャラを映す鏡みたいな感じです。
わたしはこの中の「家族とどう接しているのかで、それぞれのキャラクターは本当はどんなやつなのかわかると思います。今作での家族は、キャラを映す鏡みたいな感じです。」という言葉に注目した。
本作では、三人のキャラクターそれぞれの、家族との関係性を示すシーンが描かれている。改めて読むと確かに、その関係性と三人の個性が見事にマッチして、この環境で育ったからこの発想なんだと理解できるし、彼らの心理に納得もする。
『カッコウの夢』は、ためこう作品群のポップで可愛い方とは"別面"の、しっかり物語を読ませて読者を夢中にさせる作品だった。
ココが性癖に突き刺さった!
- 次々変わる展開が面白くて衝撃的で、目が離せない面白さ!
- 三人のキャラクター達の心の動きが、切なくてたまらない!
- 三人の未来さえ想像したくなる、充実の読後感!
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
ためこう作品の中で、最もストーリーで読ませる作品かもしれない。
本命とセフレの人格が入れ替わる、三角関係。それぞれの一途な恋と、絡み合う矢印の先。主人公・戸塚が選ぶのは、心か、身体か、そして誰なのか。
それぞれの焦がれる恋心が切ない、入れ替わりラブストーリー!
- ストーリーを楽しめる、長編作品が読みたい!
- 「愛しているのは、心か身体か?」大きなテーマを扱う物語が読みたい!
- 青年たちが真剣に愛を求め、選び取って行く姿が見たい!