BL漫画感想・レビューブログ

概要と評価

作品紹介

私立帝城学園－四逸－1

感想・レビュー

学園を統べる上流階級の社交場。
作り込まれた世界観と、キャラクターの個性が織りなす人間模様に目が離せない！

設定が練り込まれてる！
この独特の世界観が面白くて、グイグイ読んでしまった！

帝城学園には、生徒会とは別に「四逸」が君臨している。
四逸とは、道徳・運動・学問・芸術の四部門に分かれ、それぞれ優秀な生徒が一人ずつ選ばれる、帝城学園の伝統的な集団。

四逸に選ばれると有力者との人脈が広がり将来的に有利になるため、四逸を目指し、四逸に気に入られようと努力する生徒が多い。

こんな世界観の学園だから、野望もなく元恋人を支えたい一心で入学した春太はやや浮いた存在。そんな春太のことを何故か世話してくれる四逸の学問代表・葵木や、元恋人の存在が交錯する。

作中には、1年生と3年生がパートナーとなって参加するダンスパーティーや、勉強会のブランチ会など、上流社会の催しの様子が描かれる。こんな非現実的な世界を見ているだけでも楽しくなってくる。

春太、元恋人、何かと世話を焼いてくれる四逸・葵木の関係は、今後どうなっていくのか……それぞれの思惑が渦巻く学園生活、次巻に期待！

ところで、表紙の春太は択一生（四逸の下にあたる集団）のバッジ付けてるんだよね。今後の動きがホント楽しみ♡

私立帝城学園－四逸－2

感想・レビュー

春太と那治の関係はどうなる？！そして葵木は？
それぞれの思いが交錯し、実像が見え始める第二巻！

二巻の見どころは、春太、那治、那治の兄の幼い頃の物語が描かれている点。そして、春太が「那治に対する思いは恋か？憧れか？」という疑問と対峙する点。

もし憧れだとすると、葵木との関係はどうなっていうんだろう？———というのが、わくわくポイント。

登場するキャラクター数は決して少なくないけど、それぞれの性格や思惑が、最小限の文字数で分かりやすく描かれている。

二巻は、学園の権力者・四逸の一人である葵木がボランティアで参加する、乗馬合宿から始まる。そこには春太も参加し、葵木と組んで散策する。

この巻では、那治の春太への思いが明確に示されるのも重要ポイント！
その時、春太は誰を思うのか！？

……と思ってたらいいところで次巻に続く！！！？
いやあああ！

編毎に描かれている帝城学園や四逸のイラスト付き紹介ページが大好き。凄く考えられてるし凝ってる。四逸それぞれの屋敷の一部や帝城学園グッズを見てるととってもワクワクしてしまう。このグッズ、本当に販売されてたら買っちゃうな。

ところで、一巻の表紙で那治に目隠しされる春太の図、一巻だけではちょっと分からなかったけど二巻で見えてきた気がした。

春太、那治、四逸・葵木はもちろん、その他みんなの今後の動きが楽しみになってくる！それぞれのキャラが生きてます。

私立帝城学園－四逸－3

感想・レビュー

春太の那治への想いは憧れだった――
春太を見守ってきた葵木との関係が動き始める！

誤解を恐れずに言うと、長編のBL漫画は竜頭蛇尾と感じることも少なくないのだが、本作『私立帝城学園－四逸－』はまだまだワクワク感を昂らせたまま楽しめた。

那治の春太への想いと、春太の那治への想いが明らかに。二人の想いは切なく、優しく、温かいものだった。

そして存在感を増してくるのが、四逸のメンバーである葵木。

葵木は、華やかな四逸のメンバーでありながら硬派。そんな葵木と春太との関係がどうなるのか、ドロドロした世界で純な春太はどう対応し成長していくのか、今後も楽しみだ。

上流階級の園で繰り広げられるこの物語は、どの場面も日常を離れており別世界を覗くことができ、とても面白い。

私立帝城学園－四逸－4

感想・レビュー

恋の芽生え――
葵木と肩を並べるため、春太が挑む四逸の通過儀礼「プレッジ」

４巻を印象付けるセリフの一つは、菊谷晃央のこれ。

これは菊谷が、春太の潔い態度を見て葵木に耳打ちする言葉。このセリフ一つで、春太を取り巻くまだ終わらない物語の面白さを予感させる。

もともと四逸に興味がなかった春太だったが、親切に世話をしてくれた葵木についていきたい、対等になりたいとの想いから「プレッジ」を申し出る。プレッジとはハニトラなどの誘惑に負けない訓練だが、その機会を利用して肉体関係になる者も多い。

印象に残ったのは、あるシーンの葵木と春太の表情！
常に冷静沈着で真面目な葵木と、日ごろは陽気な春太が……普段と全く異なる表情を見せてくれた。艶めかしくて情感があり、とってもとっても素敵だった。私はこの数ページのやりとりで思わずトロけた上に昇天してしまった。

おすすめ要素

個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント！

作り込まれた世界観と構成、独特の世界を詳細に描いた背景、キャラクター達の思惑が交錯する物語……いろんな要素が作品を盛り上げる。

ストーリーをしっかり読ませるオメガバース！