BL漫画感想・レビューブログ

「人類史上初のαとΩが発情期を過ごす七日間」

人類初のαとΩ、そして初の発情期。揺れる二人の七日間の心情を、見事な表現力で描き出す傑作。

オメガバースの世界を通し、青春時代の自意識や価値観の葛藤を高い熱量と絶妙なバランスで顕現。読者の心に強く焼き付けます！

オメガバースBLにおいて語り継がれそうなインパクトある作品！

概要と評価

カップリングと登場人物

攻

受

作品紹介

神様なんか信じない僕らのエデン (上)

神様なんか信じない僕らのエデン (下)

ストーリー紹介

感想・レビュー

人類初のαとΩは、優等生ワンコ×意地っ張り美形。
初の発情期を一緒に過ごすαとΩの七日間が、高い熱量で描かれる！

発売から１ヶ月、シーモアで 星 4.9/5（344名）、Renta! で 星 4.7/5（154名）、Amazon で 星 4.9/5（109名・下巻）の人気作！

テーマは「人類史上初のαとΩが発情期を過ごす七日間」。

オマガバースがない世界で突如異変が起きる人類初のαとΩの物語、という点では完全なるファンタジー。だが同時に、リアルな青春時代の自意識や価値観の葛藤を高い熱量と絶妙なバランスで描ききった作品でもあると思う。抑えようとしても湧き出る感情、それへの嫌悪、整合性を図ろうと試みる葛藤の末に見つける自分だけの価値観。

ファンタジーであるはずなのに、遠いどこかの話という以上の肉薄感を伴う理由のひとつは、そうした誰もが通る青春のエッセンスを通して、彼らの気持ちを理解・共感することができるためかもしれない。

シリアスな物語だが、適度に軽快な笑いを織り込みながら重苦しくならず描かれるバランスが秀逸で、上下巻通して読者の心を捉え離さない。

七日間は、二人だけの秘密基地となる体育倉庫で繰り広げられる。
そこは行事の時しか使われない倉庫で、彼らの安全地帯。

オメガバースだから本能に翻弄されるし、様々な身体の変化も起こる。しかも史上初のオメガバースとなれば、周囲からの理解を得るのは難しいはずだ。
しかし彼らは第三者から守られた場所にいるため、読者は彼らの激しい心の動きに集中することができる。これが非常に良かった。

また、目を見張るのは、効果音が聞こえてきそうな演出。この表現力があればこそ、これほど強く訴えかける力があるのだと思う。この特別な世界観に、スッと没入してしまうのだ。

あまりの没入具合で、初読ではストーリーを追うのが楽しくグイグイ読んでしまったが、再読してより丁寧に彼らの心の動きを感じ取ると、さらに作品の魅力を理解することができた。彼らの濃密な七日間は、一読で全てを掬い取るのは難しいかもしれない。

彼らの身体に（オメガバースによる）変化が起きたことについて、作中このような台詞がある。

新型コロナウイルスとの戦いで人類が苦しむ中、この作品を世に送り出す……これがまた凄い。一ノ瀬ゆま先生は頭がいい人なんだろうなー。

エロ描写は多く、それぞれ必然性を感じさせるため飽きない。とても迫力あるアングルで、彼らの熱や湿度が伝わってきそうだ。また、人気を博した『gift』の主人公とは異なる、大人になりきっていない体格もいい。

しかし、そんな迫力あるエロを超えて、物語そのものが印象的だった。読後は「ブラボー！」と叫びたくなる爽快感。

オメガバース好きやエロがないと物足りないという人に限らず、青春の丁寧な心情描写や読後の充足感を味わいたい人にもオススメしたい作品だ。

おすすめ要素

個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント！

「人類史上初のαとΩが発情期を過ごす七日間」

人類初のαとΩ、そして初の発情期。揺れる二人の七日間の心情を、見事な表現力で描き出す傑作。

オメガバースの世界を通し、青春時代の自意識や価値観の葛藤を高い熱量と絶妙なバランスで顕現。読者の心に強く焼き付けます！

オメガバースBLにおいて語り継がれそうなインパクトある作品！