著者 | 吾妻香夜 |
---|---|
出版社 | 心交社 |
レーベル | Chocolat comics |
シリーズ | ラムスプリンガの情景 |
発売日 | 2018/03/24 |
価格 | ¥700(税抜) |
生きることや愛すること、重大な選択の厳しさなど、人生の重要なテーマを、美しい景色と王道の恋愛ストーリーで描き上げた、ノスタルジー漂う切なく愛しい感動作。
誰もが心揺さぶられ、多くの人が涙した、BLアワード2019『BEST コミック 』3位受賞作品!
- ストーリー重視の骨太作品で感動したい!
- 切ない恋愛ストーリーで涙したい!
- 青年たちの葛藤と決断、そして成長……応援したい!
概要と評価
あらすじ
ラムスプリンガ――アーミッシュが、敬虔なキリスト教徒として彼らのコミュニティに残るか、家族を捨て外の世界で生きるかを決めるための、俗世を体験する期間。
Chocolat comics
――80年代アメリカ。 ブロードウェイの夢破れ、田舎の街でウエイターと男娼をしているオズは、ある日、バーに来たラムスプリンガ期の青年・テオを“客”と間違え部屋に連れ込んでしまう。行くあても無いテオを放っておけず、つい面倒を見てしまうオズ。アーミッシュであることを馬鹿にされても怒ることも、疑うことも知らない純粋な彼に触れるうちにオズはニューヨークで擦れていた気持ちが絆され、彼を愛するようになるが…。
同時収録作品
カバー下(イラスト/あとがき) |
電子書籍Kindle参照。紙・電子・書店によって異なる場合があります。
カップリングと登場人物
攻
受
脇役・当て馬
テオドールを溺愛する幼なじみ。ラムスプリンガに入ったテオドールのことを心配している。
ダニーの婚約者。テオドールの姉のような存在のいとこ。
ダニーの兄。村を出ている。
ストーリー紹介
人生を変えた、たった一度の恋
80年代アメリカ。オズは、ブロードウェイでダンサーになる夢に破れ、田舎街でウエイターと男娼をしていた。
ある日、バーに来たラムスプリンガ期の青年・テオと出会う。
ラムスプリンガとは、敬虔なキリスト教徒・アーミッシュが俗世を体験し、残りの人生をコミュニティに残って生きるか、家族や信仰を捨て外の世界で生きるかを決める期間。
ラムスプリンガ中のテオは、ラムスプリンガとして半年間の自由を得ていたが、仕事も住む場所も決めていないと言う。オズはそんなテオを放っておけず、何かと世話をすることに。
テオは、娯楽を禁じられ怒り方さえ知らない。そんなテオに様々な俗世の楽しみを手ほどきするうち、純真なテオに絆されていく。
感想・レビュー
天使のように無垢だったアーミッシュの青年が、男として成長し人生を選択するとき。青年たちの葛藤と覚悟が胸に迫る――
この物語は、冒頭でオズの部屋に流れていたラジオから聞こえる、ニジマスの話が象徴的だ。
この後にも、テオの幼なじみの回想で、ジーンがニジマスの話をするシーンがある。この時、ジーンは以下のように語っている。
幼い頃から、大海への憧れを持っていたジーン。
(ジーンの話は、スピンオフ『親愛なるジーンへ』で描かれている。)
そして、去ったジーンのことを思って悲しむダニーの姿を見てきたテオ。
ラムスプリンガ(敬虔なキリスト教徒・アーミッシュが俗世を体験し、残りの人生をコミュニティに残って生きるか、家族や信仰を捨て外の世界で生きるかを決める期間)に入ったテオを心配する幼なじみのダニーは、婚約者のクロエに「そのうち満足したら帰ってくるわ」と慰められるが、その時、ダニーが思い浮かべたのが上のシーンだった。
ダニーはこの時、未来を予感していたのかもしれない。
あんなに無垢で純真だったテオに、俗世の手ほどきをしたオズ。テオは瞬く間に逞しく成長する。
そんなテオが人生を変えるひとつの決断を下したとき、今度はオズやダニーが、大きな心の変革を求められた。
青年たちの葛藤や決断は、読む者の心を強く刺激する。誰もが一心に愛していたし、前を向いて生きる決断をした。
この作品が素晴らしいのは、アーミッシュの生活やペンシルバニアの景色が鮮明に描かれ、その様子や雰囲気を強く印象付けていること。
作中、真っ黒い馬車と表現されてるけど、本当に黒い。
なだらかな丘の地形も、とても美しく表現されていた。
帽子と黒いズボンも。
これらの景色が、縁やゆかりはなくとも胸に迫るノスタルジアをおぼえさせ、周囲からの期待を超え自分自身で選択することの意味、そして重大な選択をすることの厳しさ、愛することの “素晴らしい呪い” など、人種や地域を超え、生きていれば共感できる様々なテーマに感情を揺さぶられる。
夢を抱いて故郷を出た経験のある人なら、より一層感じるものがあるかもしれない。
ココが性癖に突き刺さった!
- 幼子のように無垢なテオが、少しずつ逞しい男になっていく様子がたまらない!
- 荒んでいたオズの心に灯がともったのが嬉しかった!
- 胸に迫る郷愁……景色から伝わる雰囲気や人生について感じさせるものが素晴らしい!
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
生きることや愛すること、重大な選択の厳しさなど、人生の重要なテーマを、美しい景色と王道の恋愛ストーリーで描き上げた、ノスタルジー漂う切なく愛しい感動作。
誰もが心揺さぶられ、多くの人が涙した、BLアワード2019『BEST コミック 』3位受賞作品!
- ストーリー重視の骨太作品で感動したい!
- 切ない恋愛ストーリーで涙したい!
- 青年たちの葛藤と決断、そして成長……応援したい!