著者 | 日高ショーコ |
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出版社 | 幻冬舎コミックス |
レーベル | バーズコミックス ルチルコレクション |
シリーズ | アンチロマンス |
発売日 | 一巻:2020/03/24 |
価格 | 一巻:¥680(税抜) |
静かな時の流れと、普通のキャラクターによる劇的でない普通の物語がリアル。
美しい絵と丁寧な描写でキャラの心情がじわじわと伝わる、切なくて素敵な物語。繰り返し読むと、さらにキャラの心の深いところに触れられた気がしてどんどん好きになる、味わいのある作品。
- 静かでリアルな男同士の物語が読みたい!
- 心情描写を丁寧に表現した切ない物語が読みたい!
- 美しい絵が見たい!
概要と評価
概要
ジャンル | 人間ドラマ |
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トーン | シリアス |
エロ度 | 一巻:なし |
修正* | 一巻:描写なし |
キャラクター | 柿谷亮(24歳/広告代理店のライター) |
周防弘樹(24歳/美容師) | |
場所 | 日本 |
時代 | 現代 |
重点 | ストーリー |
エモーション | 切ない |
ページ数** | 一巻:216p. |
二巻: |
* ** 電子書籍シーモア参照。修正の呼称は上図。
** 表紙含む総ページ数。
個人評価
ストーリー | ★★★★☆ |
---|---|
ラブ度・心情描写 | ★★★★☆ |
キャラクター | ★★★★☆ |
絵 | ★★★★★ |
背景 | ★★★★★ |
インパクト | ★★★★☆ |
アンチロマンス (1)|作品紹介
あらすじ
幼なじみで、同級生で。高校卒業後ルームシェアを始めてから気がつけば6年――。
バーズコミックス ルチルコレクション
広告代理店でライターをしている柿谷と美容師の周防の関係は、「友達以上」ではあるけれど、その先に進むには、お互いためらいがあり、ぎくしゃくしていて……!?
同時収録作品
あとがき |
感想・レビュー
日高ショーコが描く美しい絵と丁寧な心情描写。
切なくすれ違う静かな日常から、ようやく動き始める二人の関係。
【一度目】ううう……じれったい!
【二度目】だが、それがいい!
日高ショーコ先生の作品は絵も物語も魅力的。しかし大ヒット作の『憂鬱な朝』が完結を迎え、未だ喪失感から脱することができずにいる中で読むこの作品は、無意識にハードルを高く設定してしまったのか若干の物足りなさを感じた。それが一度目の正直な読後感。
柿谷と周防は、幼馴染みで、同級生で、同居歴6年の腐れ縁。どう見ても両片思いだけど、長い付き合いの中で築かれた関係性をどうして良いか分からない。何も言わない柿谷と、自分から動こうとしない周防。
二人とも拗らせ、関係はぎくしゃくしている。眠る柿谷にそっと触れる周防。動き出す柿谷。
読み進めると、言葉や行動の奥の感情に触れられた気がして切なくて、言葉足らずなだけに噛めば噛むほど味が出る二人。二度目に読んだときには、すっかり情が移ってしまった。やはりこれ、魅力的な絵からの影響が大きいのだろうな。
一巻では、二人の関係が動かない様子やすれ違ってきた様子を、過去の出来事を振り返りながら丁寧に描写しており、ゆっくり時間が流れている。相手を必要とする熱量を自覚する時間的なズレがあったことも分かり、物語をより切なくする。
腐れ縁という時間の長さが関係の変化を動機づけるというのはよくある「普通」の話だし、二人のキャラクターも「普通」の人物だ。戸和田の「(柿谷は)カオもかわいい」というセリフを読むまで、わたしにはルックスさえ「普通」に見えていた(もちろん絵は魅力的だからキャラ的にだよ)。
そんな普通の二人の普通の日常が、ロマンチックなこともなく変わらず続いていく中で、柿谷の会社の先輩である戸和田が干渉し、ようやく二人の物語が動き始める。
なんだか「普通」を連呼しちゃったけど、「普通」の効用として、リアルな感じがするし、普通の日常の何気ない生活を長めに見せられてからのBL展開は、親しい人を覗き見る感じになっちゃって…………萌えるよね(笑)。
日高ショーコ作品にハズレなし。二巻が待ち遠しい!
( サブキャラだけど、戸和田と准一さんの関係はどうなるのかな♡ )
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
静かな時の流れと、普通のキャラクターによる劇的でない普通の物語がリアル。美しい絵と丁寧な描写でキャラの心情がじわじわと伝わる、切なくて素敵な物語。繰り返し読むと、さらにキャラの心の深いところに触れられた気がしてどんどん好きになる、味わいのある作品。
- 静かでリアルな男同士の物語が読みたい!
- 心情描写を丁寧に表現した切ない物語が読みたい!
- 美しい絵が見たい!