著者 | 芽玖いろは |
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出版社 | プランタン出版 |
レーベル | Cannaコミックス |
シリーズ | - |
発売日 | 2016/01/26 |
価格 | ¥670(税抜) |
双子の兄弟の物語。
優秀でありたい兄と、兄の言いつけに従いバカなフリをする弟。二人は苦悶の末、どこに辿り着くのか!?
激しくも切ない葛藤の先に見える景色に、心揺さぶられます!
- 禁忌(双子の兄弟)を読む準備はOK!
- 葛藤や激情の物語が読みたい!
- 完成度の高い作品が読みたい!
概要と評価
あらすじ
双子の兄・郁朗は成績トップの優等生で、落ちこぼれの弟・朱也に対して優越感を抱いていた。
Cannaコミックス
けれど常に纏わり付く朱也の視線に、以前に言われた「触ってもいい?」という欲を孕んだお願いを思い出す。
怯えと苛立ちを感じながら、その視線に追い詰められていく郁朗。
ついに朱也を詰るが、彼は生活態度を改める代わりにと、ご褒美の“約束”をねだってきて……。
歪んでしまった双子の“約束”の行方は──。
待望の2ndコミックス!
同時収録作品
わずらい(描き下ろし) |
あとがき漫画①② |
感想・レビュー
優秀でいたい兄と、兄の言いつけに従いバカなフリをする弟。
激情と苦悶の末、双子の二人が掴み取るものは!?
BLアワード2017『BEST ディープ』部門5位受賞作。2014年に発売されたデビュー作『蛇喰い鳥』に続く2ndコミックス。
Renta!やシーモアの評価を見ると、★3.8~3.9(満5)。
もちろん評価に文句があるはずもなく、約★4と考えれば低いわけでもないんだけど、個人的には「アレッ?低くない!?」って思っちゃうくらい良作に思える。わたしの中では、ガチ兄弟モノでトップクラスだ。
郁朗と朱也は双子。黒子(とメガネ)以外は同じ顔。
そんな二人が乱れる本作は、禁忌ならではのヒリヒリ感と二人の苦悶が全編から伝わってくる。
それもそのはず、ちるちるのインタビューで芽玖いろは先生はこう発言している。
形勢が表裏一体で変化していく展開なので、お話のテンポも絵も緊張感を保つことを心がけて描いていました。
ちるちる
さらに、『あとがき漫画①』には、
と書かれている。こうした作者の思いと費やしたエネルギーが、しっかり作品に具現化されているのではないかと思う。紙面からキャラクターの切迫した熱が伝わってくるし、一コマに大切な意味がギュッと込められていたりもして、最初から最後まで気が抜けなかった。
(それにしても、キャラクターの緊張感を保ちながら激しいものを描くって大変なんだなぁ……。)
兄の言いつけに従いバカなフリをするが、実は兄以上に優秀な弟。
「優秀な兄」でありたいが努力しても弟にかなわず、弟を縛りつけてきたことを悔やむ兄。それぞれの苦しい打算と激しい葛藤。
弟が兄に求めるご褒美 “約束” の先には、必死にもがいた末の清々しささえ感じた。二人とも歪だけど健気で一生懸命なんだよね……彼らの行く末に目が離せません!
この後の二人の表情と、回想における形勢逆転には痺れる。この数ページのシーンにこそすべてが詰め込まれていて、本当の意味でここから物語は動き始める(とわたしは思う)。兄の心は寛解し、それによって変化した兄による “弟への思い” を知った弟も同様に寛解を遂げる。
わたしが言うのも僭越だけど、ストーリーに無理がなく明確で、完成度の高い素晴らしい作品だ。
それにしても優秀でイケメンな二人の将来……気になる(完結してるけど)。
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
双子の兄弟の物語。優秀でありたい兄と、兄の言いつけに従いバカなフリをする弟。二人は苦悶の末、どこに辿り着くのか!? 激しくも切ない葛藤の先に見える景色に、心揺さぶられます!
- 禁忌(双子の兄弟)を読む準備はOK!
- 葛藤や激情の物語が読みたい!
- 完成度の高い作品が読みたい!