著者 | 蛇龍どくろ |
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出版社 | 幻冬舎コミックス |
レーベル | バーズコミックス ルチルコレクション |
シリーズ | - |
発売日 | 2020/02/25 (従来版は東京漫画社から2008/08/22に紙書籍で発売) |
価格 | ¥730(税抜) |
泥臭さにまみれた青春群像。
ダークで切なくて愛しくて独特のディープな世界。時間があるときに、じっくり読みたい一冊。
読んだら決して忘れられない作品になるはず。
- 人間臭い物語が読みたい!
- 物語の世界に考えを巡らせてみたい!
- BL界を賑わせた衝撃作に手を出す覚悟はできている!
概要と評価
あらすじ
「明日地球が滅んでも別に構わない」なんて思って、自由奔放に毎日はしゃいで喧嘩して過ごしていたイッキは、今はこぢんまりとした町の小さな洋食屋で働いている。そんなある日、偶然店にやってきた龍から「トシミツ」の名を聞き、懐かしく思うイッキ。龍はトシミツのいとこだという。そしてトシミツが死んだと告げる龍。トシミツは自由の象徴だった――同じ想いを抱くイッキと龍は……!? ふたりのその後も同時収録。
バーズコミックス ルチルコレクション
従来版のあらすじ
怖いもの無しで自由奔放に生きてきたイッキが見つけた場所は町の小さな洋食屋。
MARBLE COMICS
デッカイ心を持つ店長の人柄に惚れ込み働くことに。
そこへ偶然現われた「龍」から「トシミツ」という懐かしい名前を聞く…。「トシミツ」という自由の象徴に囚われ続けるイッキと龍。
3人が出会うべくして出会った過去と、その先の未来が繋がる。それぞれの刹那な想いをリアルに描くBLを越えた蛇龍どくろの青春群像。
セカンドコミックスついに発売。
同時収録作品
Postscript2(描き下ろし) |
エンドレスサークル ちっぽけがいっぱい前後編 |
感想・レビュー
論理で計れない泥臭さ、抑えきれない人間の熱情。
強烈な印象を残す メリバ?BL最高峰!
Twitterで出会った腐女子友達から「未読の人はモグりだよ」と教えてもらった本作。その時からワクワクしながら待ちに待って約3か月、電子版発売と同時に購入した。
まず読み終わって、友達が自信を持って勧めてくれたことへの納得感と感謝で一杯になった。これは得体の知れないパワーがある作品だ。
キャラクターの行動は決して賢くないし同様の経験もないし共感できそうな部分も少ないはずなのに、どこか深いところで共鳴する説得力。
この作品にはドラッグが欠かせないアイテムとして取り上げられるが、もちろん未経験だしどんな感覚になるかも分からないのに、読みながら何故か酔ってくる…このリアルな表現力はなんだろう? 紙面からパワー出てる?
物語は、度々過去への回想へと時間が戻り、少しずつトシミツとの関係や、トシミツの死のヒントが明かされていく。時系列が前後すると理解するのに疲れる場合も多々あるが、『エンドレスワールド』にはそれがない。自然に過去へと導かれ、少しずつ明かされる過去が宝物のように思えてくる。
没入感凄い。
それぞれのキャラクターが素直に必死に生きている。表情もポーズも素晴らしい! 読後には、一人ひとりが愛しいキャラクターとなっていた。
新たに収録されたその後の世界も必見だ。従来版で物語の解釈に迷っていた人も、これを読めばかなり大きなヒントが与えられることになるだろう。
ところでこの作品はメリバとして語られることが多いようだが、解釈は(新装版でより)分かれるかもしれない。
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
泥臭さにまみれた青春群像。ダークで切なくて愛しくて独特のディープな世界。時間があるときに、じっくり読みたい一冊。読んだら決して忘れられない作品になるはず。
- 人間臭い物語が読みたい!
- 物語の世界に考えを巡らせてみたい!
- BL界を賑わせた衝撃作に手を出す覚悟はできている!