著者 | ハル |
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出版社 | 大洋図書 |
レーベル | H&C Comics ihr HertZシリーズ |
シリーズ | - |
発売日 | 上:2019/07/01 |
下:2020/06/01 | |
価格 | 上:¥722(税抜) |
下:¥780(税抜) |
初恋同士の二人が、人生をかけた愛のお話。
痛々しいほど相手を思い、人生の全てが相手のことで占められている。中学生時代のすれ違いや、辛い体験を経てもなお求め合う、ドラマチックなラブストーリー!
切なくて、甘酸っぱくて、時々ハラハラするけど、心が通じ合った時にはとっても幸せになれる♡
- ドラマチックな恋愛ものが読みたい!
- キャラの心情がしっかり伝わる作品で、心動かされたい!
- 白抜きで何してるのか分からないのはイヤ!
概要と評価
概要
ジャンル | 人間ドラマ |
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トーン | シリアス |
エロ度 | エロ標準 |
修正* | 白線 |
場所 | 東京 |
時代 | 現代 |
重点 | ストーリー |
エモーション | 切ない |
ページ数** | 上:253p. |
下:255p. | |
アワード | このBLがやばい! 2021 |
* ** 電子書籍シーモア参照。修正の呼称は上図。
** 表紙含む総ページ数。
個人評価
ストーリー | |
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ラブラブ度 | |
心情描写 | |
キャラクター | |
絵 | |
背景 | |
インパクト |
カップリングと登場人物
攻
受
脇役・当て馬
和真と蓮の同級生。
和真の上司。攻。サナダムシと呼ばれ部下たちから嫌われているが、社長に気に入られている。
蓮の留学先の先輩。ゲイ。態度は悪いが世話好き。
4月の東京は… 上|作品紹介
同時収録作品
告白(描き下ろし) |
あらすじ
「嫌か? 俺とセフレになるのは?」
H&C Comics ihr HertZシリーズ
新入社員としてアメリカから東京に戻ってきた和真は、会社で中学時代のクラスメイトで、今はトップデザイナーとして活躍している蓮と再会する。中学3年の夏の突然の別れ以来、10年ぶりの再会だった。
親友で初恋の人で、──初めての相手、それが蓮だった。相変わらず綺麗で、強くて、和真は蓮と一緒にいるだけで幸せになれた。
けれど、蓮は不自然なほど中学時代の話題を避け、仲のよかった元クラスメイトとして振る舞った。
それは蓮がゲイであることに負い目を持っており、和真に拒絶されることを何より恐れていたからだ。
でも、ある夜、ふたりは再び関係を持ってしまい!?
ストーリー紹介
二人は10年ぶりに再会。しかし蓮は何故か過去のことに触れようとしない。和真は別れ際の記憶を失っているため、少しずつ話を聞きたいと願っているのだが。
そんなある日、酔った蓮を和真が送り届けることになって……。
両者の目線から少しずつ明かされる真実と、二人の思い。
感想・レビュー
不器用だけど純粋に相手を思い続けた、10年越しの恋。
BLアワード2020『BEST コミック』16位。
物語は現在の時の流れと同時に、過去の記憶が、前半は和真視点で、後半は蓮視点で織り込まれる。両者の立場から語られる、痛々しいほど切ない恋物語だ。
同じシーンでも、両者で受け止め方が異なっていることが分かる。蓮は早くからゲイである自覚があったが、和真のほうは蓮とは異なる自認をしているのもすれ違いが生まれた理由の一つ。
出会いは中学生の頃。当時はあまりに若く不器用で、自分の気持ちを相手に伝えるより先に相手を優先させ、理解し合えないまま離れてしまう。
10年ぶりに再会したのに蓮が素っ気ないのには衝撃的な理由があり、その理由が明らかになるにつれ、蓮がどれほど和真を思っていたのか、どれほど苦しんできたのかが伝わってくる。
二人とも、相手のことが全てだった……二人の激しい感情が伝わる表情、思い出のシーンで二人の心情を自然に読者に伝える手法、そして印象的な背景の劇的な表現、とても素晴らしいと思った。
ココが性癖に突き刺さった!
- お互いに相手のことが全てという恋物語に震える!
- すれ違いの切なさに目が離せない!
- 学生の頃のウブな表情との違いにグッときた!
4月の東京は… 下|作品紹介
同時収録作品
描き下ろし |
あらすじ
14歳の春に出逢い、15歳の夏に離れ離れになった蓮と和真は、10年ぶりに再会した。
H&C Comics ihr HertZシリーズ
お互いが初恋の相手にもかかわらず、本当の気持ちを伝えることができないふたりは、思いを隠したままセフレとしての関係を選び、
溺れるように時間と体を重ねる。
やっとふたりの気持ちが通じそうになった時、思いがけない人が現れて……
初恋×初恋、ついに完結!!
ストーリー紹介
セフレとして体を重ねるが、どこかぎこちない蓮。ある日、和真の部屋で朝を迎えた蓮は、和真がこれまで自分を探してきたことを知り心を開き始めた。
穏やかな日々が訪れたかに見えたが、ある人との再会によって蓮の時間は過去に遡ってしまう。
感想・レビュー
お前は俺のすべて…激しくドラマチックなラブストーリー!
10年ぶりの再会を果たしたが、蓮には壁がある。セックスのときに顔を見せてくれないし、声も聞かせてくれない。
セックスのとき、蓮に目を隠された和真が「大丈夫、見られたくないなら俺が目を閉じるから」と静かに語るシーンは、切なく胸に迫った。
一巻の和真と蓮の再会は、和真にとっては蓮の態度が素っ気なく見えたけど、二巻では和真が入社してくることを知った時の蓮の様子が描かれており、蓮の心の中は決して素っ気なくなんてないことが分かる。
その後、和真が蓮を追う場面の中に、学生時代の蓮と出会う回想シーンがあり、幼かった蓮の心情を痛いほど感じとる和真。素晴らしかった。そこからの和真の蓮に対する感情の吐露は本当にドラマチックだし、3次元で動き出すような気さえする迫力があった。
とても劇的で印象深い作品だった。
…と、ストーリーが素晴らしくて書き忘れてたけど、この作品の魅力は鬼背景にもある。背景の景色が物語に厚みを加えて一層印象的にしている。一巻の作者のコメントで「最後のページの最後のコマまで丁寧に描きます」と書いてあった言葉の通り、最後まで作者の思いと熱が込められた、丁寧で生きた絵だった。
最後に、以下にハル先生の個人的に興味深いコメントを。
――今作にまつわる裏話はありますか?
ちるちる
雨にぬれて肺炎になったという設定は、子供の頃の自分の経験談でした。
あ、今は元気です。元気すぎです(笑)。
――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
少しでもドラマを見ているような気分を味わっていただけたらと思いました。
25歳でこんなふうにトップデザイナーとして成功できるのか?という疑問はあるかもしれませんが、もしもっと時間が経って、30代になってから、蓮と和真が再会したら…ふたりとも別の相手がいたかもしれません。
肺炎の原因については、誤解している読者が時々おられるのようなので一応。
それから、「ドラマを見ているような気分を味わっていただけたら」というのは、凄いと思った。まさにドラマを見ているようだったから。
こんな曲がここで流れてきて、このセリフはこんなトーンで……って素人でも読みながらイメージしてしまう。
それは作者がしっかりしたイメージを持って描いているからなんだと、改めて感動した。
「もっと時間が経って、30代になってから、蓮と和真が再会したら…ふたりとも別の相手がいたかもしれません」というのは……ちょっとショックだった(笑)。
ココが性癖に突き刺さった!
- 作品全体がドラマチック!
- 心情描写がリアルに伝わる演出に射抜かれた!
- 痛々しいまでの相手への思いに感動!
おすすめ要素
個人的好みと理解力の及ぶ範囲で挙げる、桃みるくのおすすめポイント!
初恋同士の二人が、人生をかけた愛のお話。痛々しいほど相手を思い、人生の全てが相手のことで占められている。中学生時代のすれ違いや、辛い体験を経てもなお求め合う、ドラマチックなラブストーリーです!
切なくて、甘酸っぱくて、時々ハラハラするけど、心が通じ合った時にはとっても幸せになれる♡
修正は白抜きではなく、白線です♡ (Renta!、シーモアで確認)
- ドラマチックな恋愛ものが読みたい!
- キャラの心情がしっかり伝わる作品で、心動かされたい!
- 白抜きで何してるのか分からないのはイヤ!